今回は共同制作ということについて考えてみましょう。 基本的にデザイナーについて話を進めていきますが、人数も増えた現在のゲ ーム制作の現場では、プログラムもサウンドもそれなりに共同制作をいう状 態で作業を進めることを強いられてきます。 もちろん、それなりにしっかりとしたプロジェクトチーフやディレクターや プランナーが的確に指示を出せていれば、それに従うだけでいいかもしれま せん。しかしながら、かなり場数を踏んだチーフでも意思統一がちゃんと図 れていなかったり、プロジェクトの都合でなかなか適材適所に人材が配置さ れていなかったりと、なかなかスムーズにはいかないものです。 今回はあまり体験することのないかもしれない画面構成を少し考えてみまし ょう。 ■画面の中を構成要素を考える まず最初になにを伝えるのかはっきりさせる必要があります。 いまは3DCGによって、とにかくリアルにすればいいと思いがちですがな かなか単純にはいきません。 ドライブゲームやフライト系、それにスポーツゲームなどなら、背景と言う ものに特に意味はありません。コートやフィールド、それにぶつかってはい けない障害物として存在が認識できればそれで十分ですから、リアルに描写 することも可能なのです。 ですがRPGなどは、ちょっと工夫が必要になってきます。 たとえば目の前にドアがあれば、その中に入れるかも?とプレイヤーは思い ますし、目の前まで行ってボタンを押してみるなどのアクションをすること でしょう。 ドアはドアとして存在を認識する必要がありますし、前まで行ってボタンを 押せば開くなり、"入れない"等のリアクションを返す必要が出てきます。 また普通の扉もあれば、ボスの前のデラックスな扉もあるでしょうし、自動 扉のような、ドアノブのついていない見た目では分かりにくい扉もあること でしょう。 シューティングゲームならば当たれば押されたりアウトになる背景物との区 別や、敵弾を避ける意味でも弾は派手な色になったりもします。 つまりは画面に表示されるものの意味を考え、自分なりに優先順位をつける 作業をし、それに応じて画面の中で目立つ、目立たないを考える必要が出て きます。 ■奥行きを表現する といった理由で、ある程度目立つものほど明るく派手な色にすればよい・・ となりがちですが、それもなかなか単純にはいきません。 パズルゲームならばともかく3Dに限らずゲームには奥行き表現というもの が存在するものです。 これは基本的に奥にいけば行くほど暗くなる・・とか、霧がかかっていて奥 の方ほど白っぽくなる・・などがそうです。 そのような奥行きの法則にしたがってキャラクターの色合いなどを調整した り、重要なルートへの情報を見逃さないようにする工夫も必要となります。 ■適材適所 チーフとしては重要度の低い分野を選んで新人などの仕事に振ろうとするこ とも多々ありますが、そこで下手に個性を表現しようと派手にしてもダメで すし、逆に技術のある人間ほど背景などが上手く描けてしまったりすること で、そういった専門職に落ち着いてしまいがち。 なかなか現場では隣に座ってる同僚が普段どんな絵を描くのかを知らないこ とある訳ですが、ある程度その人の本来の技術を考慮したり、ブレインスト ーミングなどの会議の機会をできるだけ設けるなどして、適材適所を実現し ていきたいところです。 また、違った個性のデザイナーの描いたものが画面の中で一緒になることで 新しい画面も生まれまるものですので、そのあたりまで考えて配置され、ポ ジションごとのデザイナーの役割もそれぞれに持たせられればベストです。 (なかなかそうはいかないものですが・・) ■スケジューリング やはり手が早い人間もいれば遅い人間もいるわけで、それらに一律に同じ仕 事を割り振ったところで上手くいくとは限りません。 かといってあまりに自己申告に任せていてもいけない・・とは思うのですが、 ゲームメーカーの会社員は結局サラリーマンです。 自分でスケジュールなり作業見積もりを出させて予定どうりに確実にこなし てもらった方が確実です。特にゲームにおけるデザイナーはプログラマーの 予定との兼ね合いもあり、デザイナーのデータアップが一日遅れることで、 プログラマーも作業が出来ずに結局何人か分の作業がストップするなどの弊 害も出てきてしまいます。 発売日が遅れれば何ヶ月も前から組まれている雑誌広告などの費用を始めさ らに開発関連以外の経費もかさむことになります。 なかには、そういったロスを嫌ってグラフィック関係のデーターはすべて制 作した上で作業を進めたり外注を使うようなところもあるぐらいです。 なんにしても自分の作業の遅れやクオリティなどが、全体に影響を及ぼすこ とになりますので慎重で確実な作業を心がけたいものです。 どうもこの業界は自分の見通しの甘さで残業しているのにもかかわらず、サ ービス残業で頑張りをアピールしたり、同僚同士の貸し借りの関係で作業の 遅れを手伝ったりと手伝ってもらったりということが多い気がしますので、 そのあたりは改善して欲しいですね。 とまあ、こんな感じでこれ以外にもいろいろ注意したい点はありますが、こ れらはある程度現場で経験を積んでいくことで得られる基本的なことかもし れません。 ですが長く続けるスタッフが少なくなったことや、プロジェクトの大規模化、 当サイトの趣旨のように個人でゲームを作るとなるとなかなか気が付くこと の少ない部分でしょう。 やはり人には得意とする部分や不得意な部分もありますのでそれらの欠点を 何らかの形で克服する努力をしていきたいですね。