全身を描く(基礎編)
さて、今回からいきなり全身の描写にチャレンジしていきます。
本来は、もっと頭の描写についても説明したいところではありますが、眼球がへこんでる状態だったり、レジンキャストで型抜きしてるような髪型のキャラクターがあたりまえになってる世界ではあまり説得力もないでしょう。
また応用編の段階になったら詳しいテキストも書きたいと思いますが、まずは全身の基本について述べていきます。
・どうやって描くか?
一般的に外形・輪郭(以下マッス)で捕らえて描き、これをだんだんと複雑にしていったり、骨格構造を勉強しながら練習して上手くなっていきます。
結論から言えばこれはシルエットを重要視するアニメ的なキャラクターを描く上で、上手くなるための近道ではあります。
・・・ですが私にはこの方法には大きな落とし穴があり、その落とし穴に落ちないように気をつけなければ、いつのまにかその落とし穴に落ちて簡単に壁にぶつかってしまいがちです。
また落とし穴の中もそれなりに快適だったりしてるので、なかなか壁を越えようとしないのがこの落とし穴の怖いところです。(笑)
落とし穴には動きといったものや、筋肉、骨格描写といったいろいろなものがありますが、これがなくてもイラストレーターを気取れば必要なかったり、同人作品として商業作品を似せて描いてるうちには決して必要になることがありません。マッス(シルエット)の組み合わせで、いわば影絵人形のような描写法がまかりとおってしまう恐ろしい世界です。
これを避けるには骨格から描写の勉強をし、状況に合わせて筋肉などの描写を加えられる”考え方”で絵を練習するのがよいのですが、それはそれで上手くなるにはあまりに覚えることが多く、なかなか上手く描けなくて挫折しがちです。
そこで私は・・・・
女性はマッスで描写。男性は骨格練習から始める。
・・といった方法をオススメしたいと思います。というのも、マッスによる描写方法自体は
決して間違ったものではありません。アニメ的なキャラクターの練習方法としてはベストだと思います。実際問題としてゲームなどの3DCGの世界でのキャラクターも、ほとんどはポリゴンで構成されたボディパーツを骨格(ボーン)でつなぎ、IK(インバース キネマティクス)やモションキャプチャーなどの技術でそれぞれの表示位置などの座標データーを作り出しているに過ぎません。
映画シュレックなどでは体に筋肉の動きなどを表現する技術が盛り込まれていますが、それがゲームなどのリアルタイムCGや個人で買える低価格ソフトに技術が降りてくるのはまだ先だと思います。
ですが、やはりある程度の骨格や筋肉の描写やダイナミックなアクションが必要になってくることが考えられる男性キャラクターに関しては、あまり回り道をすることなくチャレンジして欲しいと思います。

*女性は男性に対して滑らかでやわらかい印象を与えることが大切。
その為、マッスによる描写による練習方法で、徐々に微妙で滑らかな凹凸の表現になるように
努力していくのがベストだと考えます。
逆に男性はゴツゴツとした印象を受けることが多いと思います。
その理由は骨格の影響を受けやすく、脂肪が筋肉の内側に溜まりやすい
性質がある為、筋肉の形が出やすいからです。その為、ナチュラルなボディラインを描けるように
なるには、マッスで考えるよりも骨格がちゃんと描けるようになるほうが近道だと思います。
まずは生き生きとしたスケルトン戦士が上手く描けるようになる・・ぐらいを目標にしたいですね。その上で少し難しい腕の筋肉ぐらいが描けるようになれば、服を着ている男性ぐらいは大体描けるようになるんじゃないかな?
・基本的な形状の練習とタッチ
ということでまず女性キャラにおけるマッスによる全身の練習からいきたいと思いますが、その前に基本的な描写から考えてみたいと思います。
みなさんはデッサンの基礎練習的なもので、美術の時間などで丸や四角、三角錐といった単純な石膏を輪郭線を描かないように陰影で表現する・・というのをやったことがあるでしょうか?
輪郭線を描かない・・・ということでアニメ的な描写には矛盾しているように感じると思いますが、それなりに重要なものでもあります。
たとえば円と球の違いがみなさんには分かりますか?
2Dと3Dという違いがあるのは分かると思いますが、主に見た目の違いです。
それはもちろん”影がついているかどうか?”ということです。これからアニメ的に考えるマッスによる描写をやっていきますので、主に輪郭線・・というものが重要になってきます。つまり球を描くときにも円が描ければ球を描ける・・・ということにはなるのですが、それでは見分けをつけることが出来ません。
そこで必要なのがタッチということになります。
この図を見てください。球と円が描かれています。
見た目の違いは明らかですが、この円に”立体感”を与えるにはどうしたらよいのでしょうか?
それも輪郭線のみの修正で・・。
そこでこんな感じで、光が当たっている部分の線を細く、影の部分を太くしてみます。
まだまだ、”球”というのはほど遠い感じではありますが・・・

中を少し落とした色で塗って、ハイライトとして白い円を描き足すだけでもグッと球に見えてきます。(右は輪郭線の太さなし)
これをすることでの大きなメリットは輪郭線を描く上での”労力”をほとんどかけずに立体表現できる・・ということです。
こんな感じで女の子の顔の輪郭を描く時だって、少し輪郭の太さを気を使ってあげることで、
ホッペの丸さのようなことを表現することも可能です。
この後の説明は出来るだけ簡単に単純な線で説明していくことになりますが、常にこういった線の表現については考えた上で練習していくことを忘れないでください。単純な線から徐々にキャラクターのやわらかさを表現できるようになって欲しいですからね。